今回のシングル『Joy & Pain』は、「喜び」と「痛み」という背反する要素を「双子の姉妹」に例えながら、「大切な人にいい事がありますように」と願うシンプルなラヴ・ソング。しかしその世界観を一旦現実の<争いの絶えない社会>へと投影してみると、そこにはもっと深い意味を湛えた「愛と平和への願い」がしのばされていることに気付く。広島の文化をリアルに感じながら成長した、田村ならではの表現手法を高く評価したい。また、砂田の繊細なギター・アプローチと、二人の持ち味を知り尽くす音の職人・森俊之による美しいストリングス・アレンジが、この曲の「本質」を更に強く輝かせている点も注目したい。『好き』も、サンタラと森俊之のコラボレートによる秀逸なミディアム・ナンバー。ここでは夏がもたらす「本能の昂揚感」と「感情の湿度感」をストイックに絞り込んだ言葉とサウンドで巧みに表現している。薄い被膜で覆われた様なエロティシズム、そして甘美なセンチメンタリズムがとても近い距離から伝わってくるのが判る。
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